「脳科学の本を読んでみたいけれど、専門書は難しそう」「池谷裕二さんの本は評判がいいが、講義本・対談本・エッセイと種類が多くて選べない」——そんな方のための1ページです。
結論から言うと、最初の1冊は『進化しすぎた脳』です。
高校生向けの講義を本にしたもので、数式も専門用語の暗記もいらないのに、脳研究の最前線までたどり着けるからです。
この記事では、池谷裕二さんの経歴、代表作4冊それぞれの守備範囲、そして目的別の読む順番をまとめました。
読み終えるころには、自分に合う1冊を迷わず選べるはずです。
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池谷裕二とは
池谷裕二さんは1970年、静岡県生まれの脳研究者です。
東京大学薬学部を卒業し、1998年に同大学院薬学系研究科の博士課程を修了しました。
2002年から2005年までコロンビア大学に客員研究員として留学し、2014年から東京大学大学院薬学系研究科の教授を務めています。
専門は大脳生理学で、記憶をつかさどる「海馬」の研究で知られます。
2018年からはAIと脳を融合させる研究プロジェクト(ERATO池谷脳AI融合プロジェクト)の代表も務めています(出典:新潮社 著者プロフィール)。
研究の第一線にいながら、一般向けの語り口が抜群にうまいのが池谷さんの著作の特徴です。
難しい実験結果を、身近な例と対話で噛み砕いてくれるため、理系の予備知識がなくても読み進められます。
池谷裕二のおすすめ本・代表作4選

1)『進化しすぎた脳』
最初の1冊にすべきはこれです。
2004年に朝日出版社から刊行された、中高生を相手に行った脳科学の講義録です。
「脳はなぜ体よりも進化しすぎているのか」という問いを軸に、視覚や記憶のしくみを生徒とのやり取りで解き明かしていきます。
のちに講談社ブルーバックスから増補版も出ており、脳科学の入門書として長く読み継がれています。
2)『単純な脳、複雑な「私」』
2009年刊行の講義録の第2弾で、母校の高校生に向けて行った4回の講義がもとになっています。
前作が脳の「しくみ」を扱ったのに対し、こちらは「私」という意識はどこから来るのかという、より哲学寄りのテーマに踏み込みます。
『進化しすぎた脳』を面白いと感じた人が、次に進む一冊として最適です。
3)『海馬 脳は疲れない』
コピーライターの糸井重里さんとの対談本で、新潮文庫版は2005年に刊行されました。
「年をとると記憶力は落ちるのか」「脳は疲れるのか」といった素朴な疑問に、研究者の立場から答えていく構成です。
講義本より肩の力を抜いて読みたい人には、こちらから入るのもおすすめです。
4)『脳には妙なクセがある』
2012年に扶桑社から刊行されたエッセイ集です。
脳が持つ思い込みや錯覚の性質を、最新の研究論文を紹介しながら1話完結で解説していきます。
通勤中に1話ずつ読める気軽さがあり、脳科学の雑学を仕事や日常に活かしたい人に向いています。
池谷裕二の本が向いている人
池谷さんの本が特に役立つのは、次のような人です。
脳科学に興味はあるが、専門書でつまずいた経験がある人。
講義や対談の形式なので、途中で置いていかれることがありません。
勉強法や記憶術の「根拠」を知りたい人。
記憶をつかさどる海馬の研究者だからこそ、覚え方や忘れ方の話に説得力があります。
子どもや部下に、学ぶことの面白さを伝えたい人。
中高生に向けた語り口は、そのまま人に説明するときのお手本になります。
どれから読むべきか:池谷裕二作品の読む順番

迷ったら、どんな読み方をしたいかで選ぶのが確実です。
「脳科学を基礎から体系的に知りたい」なら → 『進化しすぎた脳』から。
続けて『単純な脳、複雑な「私」』へ進むと、しくみから意識の問題まで一本の線でつながります。
「気軽に読める本から入りたい」なら → 『海馬 脳は疲れない』から。
対談形式なので、読書に慣れていない人でも最後まで読み切りやすい一冊です。
「スキマ時間に少しずつ読みたい」なら → 『脳には妙なクセがある』から。
1話が短く、どこから読んでも話が完結します。
なお4冊すべてを揃える必要はありません。
『進化しすぎた脳』を1冊読み切れれば、池谷脳科学の核心はつかめたと言って差し支えありません。
池谷裕二の主な著書
| 書名 | 刊行年 | 出版社 | 形式 |
|---|---|---|---|
| 進化しすぎた脳 | 2004年 | 朝日出版社 | 講義録(入門) |
| 単純な脳、複雑な「私」 | 2009年 | 朝日出版社 | 講義録(発展) |
| 海馬 脳は疲れない | 2005年(文庫) | 新潮社 | 対談 |
| 脳には妙なクセがある | 2012年 | 扶桑社 | エッセイ |
書誌情報は openBD(版元提供データ)で確認しています。
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よくある質問
Q. 池谷裕二さんの本は文系でも読める?
A. 読めます。代表作の多くは中高生向けの講義や対談がもとになっており、専門用語には必ず説明が添えられています。理系の予備知識がなくても最後まで読み進められる構成です。
Q. 『進化しすぎた脳』と『単純な脳、複雑な「私」』はどちらを先に読むべき?
A. 『進化しすぎた脳』が先です。脳の基本的なしくみを扱った前作を読んでおくと、意識や「私」をテーマにした第2弾の議論がぐっと理解しやすくなります。
Q. 勉強や仕事に役立つ脳の知識を知りたい場合は?
A. 『海馬 脳は疲れない』か『脳には妙なクセがある』が向いています。記憶や思い込みなど、日常に引きつけた話題が中心なので、自分の習慣に置き換えて読めます。
Q. 池谷裕二さんの最近の著作は?
A. 2024年に講談社から刊行された『夢を叶えるために脳はある』があり、第二十三回小林秀雄賞を受賞しています。高校生への講義をもとにした大部の一冊で、代表作を読んだあとに挑戦するのに向いています。






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