「教養として哲学を学んでみたいが、何から読めばいいのか分からない」「有名な古典に挑戦したものの、数ページで挫折してしまった」——そんな経験がある方に向けた1ページです。
結論から言うと、いきなり古典を読むのではなく、『哲学用語図鑑』か『ソフィーの世界』で全体像をつかんでから古典に進むのが、いちばん挫折しない読み方です。
哲学の古典は、その哲学者が「誰の、どんな考えに反論しているのか」を知っているかどうかで、読みやすさがまったく変わるからです。
この記事では、編集部が選んだ哲学の本8冊を「全体像をつかむ入門書」と「実際に読みたい古典」に分けて紹介し、最後に読む順番をまとめました。
読み終えるころには、自分のレベルに合った1冊が分かり、仕事や人生の悩みを哲学の言葉で考えられるようになるはずです。
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哲学の本を選ぶときのポイント
哲学の本は、入門書と古典(哲学者本人が書いた原典)の2種類に分けて考えると選びやすくなります。
入門書は、たくさんの哲学者の考えを整理して紹介してくれる本です。
古典は、ひとりの哲学者が自分の考えを直接語った本で、読みごたえはありますが、背景を知らないと理解しにくい部分があります。
初心者は、まず入門書で哲学の歴史の流れをつかみ、気になった哲学者の古典を1冊ずつ読むのが近道です。
古典を選ぶときは、薄い本・新しい翻訳・解説が充実した文庫から手に取ると、最後まで読み切りやすくなります。
哲学の本おすすめ8選

1)『哲学用語図鑑』田中正人
哲学の1冊目として最もおすすめなのがこの本です。
2015年にプレジデント社から刊行された、哲学の用語をイラストで解説する図鑑です。
古代ギリシャから現代までの哲学者と用語を、時代順に1ページずつイラスト付きで紹介しています。
文章を読み込まなくても図で意味がつかめるので、古典を読んでいて分からない言葉が出てきたときの辞書としても使えます。
2)『ソフィーの世界』ヨースタイン・ゴルデル
ノルウェーの作家による、哲学の歴史を物語で学べる小説です。
14歳の少女ソフィーのもとに謎の手紙が届き、差出人との対話を通じて古代から近代までの哲学をたどっていきます。
1990年代に日本でもベストセラーになった定番で、小説を読む感覚で哲学史の全体像がつかめるのが魅力です。
詳しくは『ソフィーの世界』はどんな本?で解説しています。
3)『哲学と宗教全史』出口治明
2019年にダイヤモンド社から刊行された、哲学と宗教の歴史を一冊で通覧する本です。
哲学者の考えを、その人が生きた時代背景や宗教とあわせて説明しているのが特徴です。
哲学を「世界史の流れ」の中で理解したいビジネスパーソンに向いています。
著者については出口治明のおすすめ本をご覧ください。
4)『嫌われる勇気』岸見一郎・古賀史健
2013年にダイヤモンド社から刊行された、アドラー心理学を対話形式で紹介する一冊です。
哲学者と悩める青年の対話で進む構成で、人間関係や幸福について考えを深めていきます。
「哲学は自分の悩みに役立つのか」を実感したい人にとって、最も身近な入口になる本です。
詳しくは『嫌われる勇気』はどんな本?で解説しています。
5)『ソクラテスの弁明・クリトン』プラトン
古典の1冊目として最もおすすめなのがこの本です。
裁判にかけられたソクラテスが、自分の生き方を弁明する場面を弟子のプラトンが書き残したものです。
岩波文庫版は薄く、裁判の場面という分かりやすい状況設定なので、古典に不慣れな人でも読み切りやすいのが特徴です。
詳しくは『ソクラテスの弁明』はどんな本?で紹介しています。
6)『方法序説』デカルト
「我思う、ゆえに我あり」で知られる、近代哲学の出発点とされる古典です。
岩波文庫版は1997年に谷川多佳子さんの訳で刊行されています。
すべてを疑ったうえで、確かなものは何かを探っていく思考の過程を、デカルト自身が振り返る形で書かれています。
論理的に考える力を鍛えたい人にとって、今でも学びの多い一冊です。
詳しくは『方法序説』はどんな本?をご覧ください。
7)『自省録』マルクス・アウレリウス
ローマ皇帝マルクス・アウレリウスが、自分自身に向けて書き留めた言葉をまとめた本です。
岩波文庫版は神谷美恵子さんの訳で、2007年に改版されています。
ストア哲学の考え方にもとづき、怒りや不安との向き合い方、日々の務めの果たし方が短い断章で語られます。
どこから読んでもよく、疲れたときに数ページだけ開けるのがこの本のよさです。
詳しくは『自省録』はどんな本?で解説しています。
8)『純粋理性批判』カント
人間は何を知ることができるのか、という問いに取り組んだ、近代哲学の最重要古典のひとつです。
光文社古典新訳文庫版は中山元さんの訳で、2010年から全7巻で刊行されました。
難解なことで知られますが、新訳版は解説が充実しており、古典を何冊か読んだあとの「挑戦の1冊」としておすすめです。
詳しくは『純粋理性批判』はどんな本?をご覧ください。
哲学の本を読む順番

迷ったら、次の順番で読むと無理なくステップアップできます。
ステップ1:全体像をつかむ → 『哲学用語図鑑』または『ソフィーの世界』。
図で整理したい人は図鑑、物語で楽しみたい人は小説を選んでください。
ステップ2:哲学を身近に感じる → 『嫌われる勇気』『哲学と宗教全史』。
自分の悩みや世界史と結びつけることで、哲学が「使える知識」に変わります。
ステップ3:古典を読む → 『ソクラテスの弁明』→『方法序説』→『自省録』。
薄くて読みやすいものから順に並べています。
ステップ4:本格的な古典に挑戦する → 『純粋理性批判』。
ここまで読めば、哲学の議論の流れを踏まえて読み進められるはずです。
哲学の本おすすめ一覧
| 書名 | 著者 | 出版社 | タイプ |
|---|---|---|---|
| 哲学用語図鑑 | 田中正人 | プレジデント社 | 入門書 |
| ソフィーの世界 | ヨースタイン・ゴルデル | NHK出版 | 入門書(小説) |
| 哲学と宗教全史 | 出口治明 | ダイヤモンド社 | 入門書 |
| 嫌われる勇気 | 岸見一郎・古賀史健 | ダイヤモンド社 | 入門書(対話) |
| ソクラテスの弁明・クリトン | プラトン | 岩波書店 | 古典 |
| 方法序説 | デカルト | 岩波書店 | 古典 |
| 自省録 | マルクス・アウレリウス | 岩波書店 | 古典 |
| 純粋理性批判 | カント | 光文社 | 古典 |
書誌情報は openBD(版元提供データ)で確認しています。
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よくある質問
Q. 哲学の初心者が最初に読むべき本は?
A. 『哲学用語図鑑』か『ソフィーの世界』です。図で整理しながら覚えたい人は図鑑、物語として楽しみながら学びたい人は小説がおすすめです。
Q. 哲学の古典は翻訳で読んでも意味がある?
A. 意味があります。岩波文庫や光文社古典新訳文庫など、訳注や解説が付いた翻訳を選ぶと、原典の背景まで理解しながら読めます。
Q. 仕事に役立つ哲学の本はどれ?
A. 考え方を鍛えたいなら『方法序説』、ストレスとの向き合い方を知りたいなら『自省録』がおすすめです。世界史と一緒に教養として押さえたいなら『哲学と宗教全史』が向いています。










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